汚染水 申入書

2019年9月20日

松井一郎大阪市長殿

申入書

先般、松井一郎大阪市長は、福島第1原発に保管されている汚染水に関して、大阪として受け入れ、大阪湾に放出する考えがあることをあきらかにしました。これは、橋下徹元大阪市長の発言後に示されていて、吉村洋文大阪府知事も同調しているとみられます。

こうした信じがたい暴挙を行うとする考えが、大阪市のトップから突如示されていることに、憤りを覚えております。

我々は、放射能汚染の拡散はすべきではないとする考えに立っています。

この観点から考えれば、大阪市長が発言している内容はまったく理解できません。

当然ながら、汚染水には処理で除去されないトリチウム以外の放射性物質が多々、含まれていますし、トリチウム自体も無害のものであると考えてはおりません。

健康被害のリスクをまじめに考える場合に、こうした放射能汚染水をわざわざ大阪に移送し、それを湾内に放出するなどというのは、ありえない話です。

もちろん大阪湾は大阪市だけのものではありません。近隣自治体、他県にも影響があり、こんなことは許される話ではありません。

また、大阪湾は閉鎖水系的性格が強く、汚染は湾内で長く滞留する可能性も否定できませんし、さらに瀬戸内海などの内海へ汚染が広がる可能性が否定できません。むしろ外洋に放出するリスクよりも、影響は甚大となる可能性も考えられます。

過去に大阪市は震災がれきの受け入れと焼却を反対の声を無視して強行した経緯があります。今回も発言だけでなく、実際に汚染水受け入れを強行する可能性は否定できません。

この度、状況を憂うる立ち場の人々が集まり、「大阪湾に放射能汚染水を放出させない会」を結成し、同時にこうした暴挙を止めるべく申し入れを行うこととしました。当会はわずか1日で200人以上が参加しております。

大阪市長は、大阪湾に放射能汚染水を放出しないと公的に明言し確約することを求めます。

「大阪湾に放射能汚染水を放出させない会」

〒534-0001 大阪市都島区毛馬町3丁目3-26

呼びかけ人 (アイウエオ順)

井戸謙一 (弁護士・井戸謙一法律事務所)
木下黄太 (ジャーナリスト・「放射能防御プロジェクト」代表)
下地真樹 (経済学・阪南大学准教授)
仲晃生 (弁護士・椎名法律事務所)
三田茂 (医師・三田医院院長)
山崎秀夫 (環境解析学・近畿大学元教授)